東京視察「SHIBAURA HOUSE」

先週、延岡市建築士会の方と協働で行った東京の事例調査報告の続きです。
今回は田町駅ほどちかくにある「SHIBAURA HOUSE」です。
自治体が建設した公共施設ではなく、民間企業のオフィスで、その一部を誰でも使えるような公共空間として開放しています。
1階のカフェラウンジの室内は、ガラス張り+天井高さが高いので開放的で明るく、ただひたすらぼーっとすることができそうな雰囲気です。

外から見ると、もちろんガラス張りなので良く見えます。
公共施設ではなくとも、このように開放され中が見えていると「入っても良いのかな」と感じられます。

カフェラウンジの脇には子どもの遊び場があり、ある時間帯になると、ベビーカーを引いて沢山のお母さんが来られるようです。
非常にささやかですが、手の行き届いた管理とセンスの良いおもちゃが並んでいます。
また、空間に対して席がゆったりもうけられていることも、ベビーカーを引いて来易い理由の一つなだろうなと気づきます。

上階では半外部空間のテラスが全ての階に接しているので、どこにいても外を感じられます。

全ての階を案内していだき、また1階に戻ってみると、おばあちゃん二人がなにやら楽しそうにお話ししています。
このように新しい建物や、ガラス張りの建築の場合「これは若者の建物で、自分たちは行けない。」という声をよく耳にしますが、
おばあちゃんに声をかけると「天井が高くて気持ちが良い」と楽しそうにお話ししてくれました。

さらに、「若い人が話を聞いてくれるのがうれしい」という意見もありました。
僕たちが訪れた時には、一人の女性が公共空間の管理をしており、その女性がおばあちゃんとお話ししたり、おばあちゃんからヤクルトをお裾分けしてもらったりしていましたw
このおばあちゃん達は半分この女性と話しに来ているのだと思います。
やはり、建築単体の力だけではなく、運営する人の魅力というのは建物の雰囲気に大きく影響するのだなということを改めて感じました。
まさにハードとソフトがうまくかみ合い、幸せな空間を作り上げている好例です。
延岡駅周辺にもこのような関係が生まれるよう頑張りましょう!

yamane