この街の遊び方

■気が向いたとき掲載  まちセン四畳半物語③

 決して大層な理由があって、まちセンの中に畳スペースを造ったわけではない。でも四畳半でもないのに「四畳半カフェ」というネーミングの妙なのか、いろんな広がりがこの半年近くあって、我ながら面白いものを作ったなぁと悦に入っている。と自己満足しているだけではない。せっかく少しは世間に知れてきたのだから、新しいコミュニケーションデザインという視点に立って、これまでの使い方を参考にしながらいろいろと考えてみる。

 いま自分の中で、はっきりしてきたのは、単なる大人の遊び場の提供に終わらせたくないということだ。つまりいろんな共通のテーマというか嗜好を持って集まってきた大人たちが、この座敷に座り込み愉しんで帰り、あぁ今日は愉しかったというだけでは、終わらせたくないなぁと思っている。

 私たちがまちセンとして目指しているのは、この街の中に、いろんな遊び場を創造していくこと。例えば延岡駅周辺整備事業において、駅やその周辺市街地に、賑わいを創っていくには、いろんな嗜好を持った市民が集い、自分達がやりたいこと、考えている事を具現化していく。それをオープンな形で、極端な言い方をすれば、通りすがりの人までも巻き込みながら、街中で大人といわれる世代が遊ぶことだと思っている。大きなイベントといわれるものでなく、日常的にそんな風景を生んでいく。それが暮らしの中のちょっとした豊かさや、幸福に結びついていければよいような気がしている。

 しかし、まだその場所は、駅の周辺や周辺の市街地では限られている。そうした場所づくというハード面はまだまだこれからとして、それが出来ましたから、さぁお使いくださいではなく、いまからそんな大人たちの遊び心を醸成していくことが大切で、そんな場所として、まちセンの四畳半カフェという小さな空間からはじめていけたらと考えている。

 ちょっとした確信もある。映画、グリム童話古楽こんな集いが、毎月のように四畳半カフェであり、気がつけばまずグリム童話古楽がくっつき、タイミングさえあえば映画だってくっついちゃって映画館という街の場所で大人たちが遊ぶことができた。また古楽カフェに集まった人たちが、かつてどこかに置いてきていた音楽への心を呼び起こし「みちばた音楽隊」なるものが誕生し、街中のイベントに参加もした。この事実からみても、延岡に暮らす大人たちは、何かを切っ掛けに、「街中であ・そ・ぶ」という心の豊かさを持っているのだと思っている。

 さて、さて、こうした街遊びの仲間づくりの場として、愉しみながら、次のステージを見つける場所として四畳半カフェはますます魅力倍増というと、はなはだ手前味噌というやつだが、「この街の遊び方」を模索する場所として、私たちも提案していくが、なにより多くの市民の方々からの提案が一番というもの。街の主体としてというと仰々しいかもしれないが、どんな小さなやる気でも、ちゃんとそれがこの街に暮らす人々の幸福になるなら、サポートしたいと思っている。

 
fukuda