宗太郎駅へGO!

 延岡市民協働まちづくりセンター のべおか市民力市場です。はやばやと第3弾です。

 延岡駅から大分方面に行く列車は、「宗太郎峠越え」という九州最大の難所に挑みます。峠を越えた先が大分県佐伯市で、普通列車乗り放題の“青春18切符”も容易には使えない区間としても知られています。まぁ、昼間は特急しか走ってないからで、各駅に止まる列車は日に3往復。朝1番が走ったらそのあとは夕方4時過ぎというわけで、こうした区間にある駅を、鉄道ファンでは「秘境駅」と位置づけています。

 この延岡から佐伯に至る区間で、最大の秘境駅が、延岡から五つ目、県境を越えた最初の駅、峠の名前と同じ「宗太郎駅」です。鉄道ファンの中では有名な広島県に住む牛山隆信さんがネット上で展開する「日本の秘境駅ランキング」では5月25日現在第47位の秘境度合いです。このランキングはポイント制になっていて、駅の雰囲気とか、列車到達難易度とかで5点満点でポイントをつけ順位を決めています。宗太郎駅は、雰囲気もさることながら列車到達難易度で堂々4ポイントを稼いでランクインというわけです。

 全国の鉄道ファンを中心には知る人ぞ知る、有名?駅ですが、どうも延岡の人には馴染みがない。そこでなんとか、地元の人に知ってもらう機会をつくろうと狙っていたのですが、前回紹介した立ち呑みの駅が1周年記念の「nomoka」カード販売を切っ掛け(20枚預けられたカードをなんとか売りたい一心)に、勝手に『宗太郎へ電車でGO!立ち呑みの駅でビールをGUI!』という遊びを思いついて実行することにしました。


 これが可能になったのは、日に3往復の列車ダイヤが実に好都合でした。16時49分に延岡駅を出発した上り佐伯行きは、宗太郎駅に17時20分に到着。約40分ほど滞在した後、今度は佐伯発、南延岡行きが宗太郎駅に17時59分に到着。延岡駅には18:37分には帰り着きます。そこから立ち呑みの駅に直行!うまく出来ています。正確な運行を誇る日本の鉄道会社だから出来る行程です。

 この遊びに、梅雨入りの雨の日にも関わらず2日間で17人が参加しました。宗太郎駅の1日平均乗降者数は0,3人といわれていますから、2日間で約2ヶ月分の乗降客があったことになります。そんな記録更新の達成感?も手伝って、立ち呑みの駅で大いに参加者は盛り上がったのです。

 そればかりではありません。たった30分の小さな列車旅は、参加した大人たちの郷愁を呼び起こしたり、沿線の雨に濡れた新緑や、北川水系の渓谷美にもため息を漏らしました。宗太郎駅での40分ほどの滞在時間も、それぞれが思い思いに過ごしているさまを見ると、案内人としては結構、癒し効果があったのかなぁと思いました。延岡駅から30分ほど列車に乗ると、そこは日本を代表する秘境駅。そんなことの起点にもなる延岡駅の魅力もみなさんに知ってほしいと思っています。

 この宗太郎駅に行くツアー。7月、8月の2ヶ月間限定ですが、観光協会が定期化しようとしています。この機会に延岡駅から小さな列車旅にでかけませんか?

fukuda