北海道視察(岩見沢・旭川)

先週末に岩見沢駅と旭川駅に視察に行ってきました。個人的には初めての北海道でした。

旭川駅は駅まち会議で委員長をやられていた内藤廣先生(内藤廣建築設計事務所)の設計です。

旭川駅については、まだ駅前広場が工事中だったため、駅舎のみの視察となりました。
外周は基本的にはガラス張りとなっており、中は自然光だけで十分明るかったです。またガラス沿いにベンチが設置されていて、駅にふらっと立ち寄って休憩している人や、お弁当を食べている人がすわっていました。

地元の方に少しお話を聞いたところ、「街の顔ができてうれしい」という意見をお聞きしました。延岡よりもさらに車社会が進んでいる北海道においても、やはり駅は街の顔という思いがどこかにあるんですね。「駅からはじまるまちづくり」頑張りましょう!

街のほうは、駅から買物公園通りという緑道とセットの歩行空間が伸びています。日本で最初の恒久的な歩行空間だそうです。
この買物公園通りは1972年に整備されています。これば環境都市として世界的に有名なドイツのフライブルグ市が交通政策を開始し、歩行者と公共交通のまちづくりを始めた時期と同じです!
日本の、とりわけ車社会が進んでいる北海道においては、まだまだその効果は充分でないかもしれませんが、今後数十年の間に貴重な場所となると信じています。

次にスーパカムイに乗って岩見沢駅に向かいます。
岩見沢駅は西村浩先生が(ワークビジョンズ)設計されたレンガや古いレールを活用した駅舎です。

ちょっと街の規模に対して駅舎が大きいのではと思っていたのですが、いらぬ心配でしたw。人がいる場所や、改札、出入口などはスケールが抑えられており、かつ全体は繋がっているので人の気配をそこかしこで感じます。すごく居心地が良いです。
岩見沢駅は駅機能に市民交流機能がくっ付いています。まさに延岡駅で試みようとしている事に似ています。市民交流スペースは残念ながら休みだったのですが、ご飯を食べたり読書をしている人やダンスの練習をしてる中学生がいました。これは駅が市民の場であるという認識があるからなのでしょうか?素晴らしいです!

また駅前広場にはしっかりと植栽が施されており、心地よい日影をつくっていました。

街のほうですが、なかなか厳しい状況でした。
駅周辺にあった喫茶店のマスターに少しお話をきいたとこと、百貨店が撤退し、空き家・空き店舗が増え、商店街は約2割程度のお店しか開いていないとのことでした。。。やはり中規模の地方都市はどこも同じ状況です。雪国特有の問題ですが、古い空き店舗は豪雪に耐えきれずに崩壊してしまうことがあるようです。崩壊してしまっても空き店舗なため、誰も手を付けずに放置されるということが起こっています。うーん。なんとかしなければです。

街を見ていて延岡が他の地方都市と大きく違う点が見えてきました。チェーン店が圧倒的に少ないことです。岩見沢(人口:8万人)にも駅周辺にはチェーンの居酒屋があります。やはりチェーン店には特に価格の面については個人のお店はなかなか対抗できません。実際に地元の方もチェーン店にはまだお客さんが入っているというお話をお聞きしました。不景気も手伝って、どうしても安いお店に足を運んでしまうのでしょうか?
どういう要因で現在そうなっているのかは分かりませんが、延岡(人口:13万人)の中心市街地にチェーン店が少ないことが、街の状態を保っているのではと勝手に想像してしまいました。
市民の方には怒られるかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば延岡は三方を山に囲われており、良い意味で「陸の孤島」となていることで独自の文化を形成しているということがあるのかもしれません。そしてそれが現代においてもまだ残っています。すごく貴重な状態だと思います!

最後に札幌へ向かいました。
札幌では、「よさこいソーラン祭り」が行われていました。今や全国各地から踊り手が集まる非常に大規模な祭りです。
踊っている人たちは本当に楽しそうで、その雰囲気が見ている人を元気にしています。
またそれが一グループではなく、多くのグループが集まる事で街全体の雰囲気までも明るくしています。
訪れる人を楽しませるという点については、(規模は違いますが)延岡駅で市民のみなさんと取り組んでいる市民活動と同じなのではと思いました。

まず自分たちが楽しむ事、そして楽しんでいる人々が集まるという非常に単純な状態ができるだけでも、街の雰囲気は十分変わっていくのだなと改めて感じました。

実り多き北海道視察でした。延岡駅周辺整備にフィードバックさせていければと思います!

yamane